しまんとジャーナル ✖ はたも~ら37
「美味しいの一言が、日々の励みになる。」
四万十市中村の中心地に10月24日に暖簾を掲げたごはん屋「なの縁」。開店までに派手な告知も、SNSでの大きな宣伝もしていない。それでも日を追うごとに来店数が増えていき、最近ではあっという間に満席で店内は賑わっている。「正直、こんなに来ていただけるとは思ってなかったです。」
そう話すのは、店を切り盛りする片岡さんと大西さん。二人が目指したのは、“流行る店”ではなく、“長く愛される店”だった。
▼左から
片岡夕乃さん(34)趣味:釣り
大西春菜さん(32)趣味:マラソン

4年越しで自分達のお店を持つ
—大西さんは管理栄養士の資格を持ち、接客の仕事では店長も経験。片岡さんは飲料会社で8年ほど勤め、中村への転勤がきっかけで四万十とのご縁が生まれた。
大西「飲食店をやろうと思ったきっかけは、『料理が好き』という、ごく自然な気持ちからでした。本格的に考え始めたのが4年くらい前ですね」
片岡「もともと彼女が料理をするのが好きで、作っているうちに“いつか自分の店を持ちたいね”という話が自然と出るようになりました。」

—そう言って笑い合う二人。土佐清水市や四万十市での生活を行き来しながら、ようやくたどり着いた“現在の店舗”。
片岡「この店内を最初に内見した時に、もうここしかないと即決しました。」
▼カウンター10席に、奥には8席の座敷

そっと、静かにお店をOPEN
—オープン当初から、二人で決めていたことがある。
大西「大きく宣伝をせずに静かにお店をオープンしようと決めていました。」
片岡 「SNSでの投稿も『明日も営業します』程度で宣伝らしい宣伝は、ほとんどしていません。」
—それにも関わらず評判が広がり、客席が賑わい始めたある日、お客さんから言われた言葉が忘れられない。
片岡「満席の店内で、『こういうお店を待ちよった!』と一人のお客さんから大きな声で言って頂いたんです。」
大西「あれはすごく嬉しかったですね、本当に沁みました。」
▼ハンバーグ定食(特製トマトソース)1,200円

大切にしている価格・料理・サービス
片岡「3つ全部は難しくても、2つ以上は絶対に守らないといけない。どんなに美味しい料理でも、サービスが悪かったら行きたくない。一回一回のお客様を大切にしたいですね。」
—お店を出るときに『美味しかった』『また来ます』とお客様から声をかけてもらえる瞬間が、何よりの支えになっていると語ります。
大西「子どもさんが『おいしかった、大好き!』と無邪気に言ってくれたときは、とびきり嬉しかった。その言葉もまた、自分達にとって特別な励みになっています。」
▼なの縁定食(日替)キャベツ入りメンチカツ 1,380円

家庭的、だけど“家では作らない味”
—定食はどれも、どこか家庭的。それでいて、家ではなかなか作らないひと工夫がある。
大西「地元の野菜や市場の食材を使うようにしています、栄養バランスとの組み合わせは、すごく考えますね。24時間、ずっと食べることばかり考えてます(笑)日替わりメニューを考えるのも楽しいです。」
ー大人気の油淋鶏の鶏肉は一枚一枚、筋や皮を丁寧に処理している。
▼なの縁定食(日替)油淋鶏 1,380円

家に帰ると毎日、反省会
ー営業後は、毎日ミーティングを重ねている。
片岡「あれはいかんかったね、こうした方が良かったね。家に帰ると一日を振り返りながら毎日話し合っています。開店時だけでなく、長く続くお店にしたいですから。」
▼お客さんとの出来事を、笑顔で振り返る二人。

”なの縁”のこれから
—この数年で多くの飲食店が姿を消す中、『よく飲食店を始めたね』と言われることもあった。だからこそ、『できるだけ長く続けたい』という思いは強い。
片岡「僕たちが大好きな、人と関わるおもてなしの輪を広げていく可能性を広げながら、目の前のお客さんひとりひとりを大切にしたいですね。
—柔らかく優しい印象だが、話すと芯の強さがひしひしと伝わってくる。ふたりの挑戦を見守っていきたい。
なの縁
高知県四万十市中村東下町48-3
TEL 080-3921-3475
営業時間 11時〜15時 (Lo 14時30分)
定休日 日曜、他(日曜営業有)
Instagram 四万十市のごはん屋さん なの縁
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※この記事は2026年1月発刊の「はらも~らVol.80」に掲載予定です。ぜひご覧ください。