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コートハウスという答え

しまんとジャーナル46

― 限られた敷地で「豊かさ」をつくる住宅設計 ―

住宅を設計するうえで、敷地条件は常に大きなテーマになります。今回の住宅も、約45坪という限られた敷地に建つ一棟でした。

東西に細長く、南北には古い家屋が隣接する、決して恵まれた条件とは言えない土地です。

しかし、その制約こそが、設計の方向性を明確にしていきました。

今回訪ねたのは香川県高松市内にある注文住宅の完成見学会。高松市にて設計事務所を運営している池田設計室の池田卓也氏に完成したばかりの『吹き抜けのあるコートハウス』について池田氏からのコメントを交えながらご紹介します。

 

▼シンプルな外観に黒いフレームの窓がアクセント。

—敷地条件から導かれた「抜け」と「光」

この住宅の大きな特徴は、玄関から奥へと視線と動線が抜けていく構成です。さらに、吹き抜けを介して2階から光を取り込み、限られた敷地の中でも明るさと開放感を確保しています。

池田「南側からの十分な日射が期待できない敷地だからこそ、上から光を落とす構成を選びました」

吹き抜けの開口位置に合わせて中庭や各室の配置を決めていくことで、外部環境に左右されすぎない、安定した住環境が生まれています。

▼天井に高低差があることで空間は豊かになる

―シンプルで、研ぎ澄まされた内装

内装のテーマは、徹底した「シンプルさ」。照明器具は極力目立たせず、建築と一体で計画されています。面のラインを揃え、凹凸を極力減らすことで、空間全体に静かな緊張感が生まれています。

池田「後から整えるのではなく、建築の段階から“整った状態”をつくることを意識しています」

その姿勢は、完成後の印象にもはっきりと表れています。

▼ダウンライトを減らすことで空間を美しく

―建築と照明、性能とデザイン

照明計画もまた、建築の一部です。ダウンライトに頼りすぎず、器具の存在感を極力消す。

池田「点灯する瞬間は、毎回ドキドキします」

そう語りながらも、建築と照明が一体となった空間は、静かで、心地よい明るさを生み出しています。

▼収納の多さは池田設計室の特徴

―柔らかさから、ソリッドへ

以前の施工事例と比べると、どこか印象が変わってきている。そんな問いに対して、設計者の池田氏はこう答えます。

「施主さんの好みもありますが、チームとしての経験値が上がってきたことが大きいと思います」

無駄な要素を削ぎ落としながらも、冷たくなりすぎない。柔らかさを内包したまま、より研ぎ澄まされた空間へ。設計と施工が噛み合ってきたことで生まれる、成熟した建築の表情です。

▼スタイリッシュな造作洗面

―色は3色まで。余白は暮らしに委ねる

メインカラーは、白とオーク材を基調とした2色構成。黒をほとんど使わないのも、明確な理由があります。

池田「自然界には黒って、実はあまり存在しないんですよね」

色数を抑えることで、建築は背景に徹し、住まい手の暮らしやグリーンが主役になっていきます。差し色は、住み始めてから少しずつ足していく。そんな余白を残す設計です。

▼設計者の池田卓也さん(36)好きな漫画はブルーピリオド

―どうしてコートハウスなのか

池田設計室が数多く手がける「コートハウス(中庭のある住宅)」には、明確な理由があります。

一つは、プライバシーを確保しながら大きな開口をつくれること。外に閉じ、内に開くことで、光と視線をコントロールできます。

もう一つは、子育て世代への配慮です。室内と中庭が緩やかにつながることで、キッチンに立ちながらでも、子どもの様子が自然と目に入る。都市部や市街地のような環境だからこそ、コートハウスの価値はより際立ちます。

▼窓からの景色を考慮した配置

―窓は「少なく、意味を持たせる」

窓の設計についても印象的な言葉がありました。

池田「窓は、できれば少ない方がいい」

性能面、コスト面、そしてデザイン。すべてを踏まえたうえで、本当に必要な場所にだけ窓を設ける。隣家の庭や、視線が抜ける方向を“切り取る”ように配置された窓は、室内に閉塞感を与えません。

目が合わないところに、抜けをつくる。この考え方は、住宅全体に通底しています。

さらに、

 ・断熱性能(G2グレード)、気密測定(C値0.2前後)

 ・耐震等級3(許容応力度計算)、長期優良住宅認定

 ・家族の将来を見据えた収納計画

安心の性能とデザイン、そして暮らしやすさも、設計の初期段階から組み込まれています。

―設計事務所らしさが宿る、一棟

池田「これまでで、もっとも“設計事務所らしい”家かもしれません」

そんな言葉で、この住宅は締めくくられました。敷地に合わせてゼロから考え抜く、真のオーダーメイド。限られた条件の中でこそ、本質が問われる。この住宅には、その答えが静かに、しかし確かに表れています。

 

 

問い合わせ

池田設計室

香川県高松市木太町1868-2 ラ・トゥール林道1F  tel. 087-813-2457 

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